あの日あの時へ (その4完:風景の記憶)
写真展においでになった方に、「どの作品がお好きですか?」と訊ねることがある。地元の小学校に通う姉妹が駅茶に来た時にも同じ質問をしてみた。その時小学3年生だという妹さんが選んだのが、上の2枚でした。左は「霞城の桜(仙山線快速 山形〜北山形)」、右は「夏の午後(奥羽本線蔵王〜山形)」という作品です。山や桜といった当たり前にある景色が入った作品でした。
この作品に「いいね」とされた方はいなかったので大変驚きました。彼女は何故、この作品を選んだのだろうか。その他の作品が8歳の子にはなじみがない被写体であったからだろうか。地元の山や景色ではないにしても、親近感を感じるものがあったのかもしれない、などと勝手な推測が浮かんでは消えました。
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今回の写真展は、鉄道や駅舎への郷愁の原点を考えてみたいと企画したものです。その流れで考えれば、故郷の風景と共に有る鉄道の姿、変わらぬ風景の中で走り続ける列車の姿が、それぞれの大切な記憶として堆積しているのではないだろうか。8歳の少女に大事なことを教えられたような気がします。
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「あの日、あの時へ」展は、来週で終了します。カメラを手にした18歳の少年がとらえた鉄道情景をあなたの目で鑑賞してください。そしてあなた自身の「あの日、あの時」を探してみて欲しいと思います。開場日程を前回の記事でご確認のうえご来場ください。
2024.10.13