長井線リポート(11) 映画祭受賞の「ゴミ箱」
荒砥駅からのリスタート。こんどの列車は長いベンチ型の鉄道娘号。ダリア号で一緒だったご婦人とお孫さん、鉄道マニア風の若者、そして荒砥から乗車した中年男性が2名。孫さんはおばあさんの膝に抱っこしながら、お菓子を食べている。
さて、列車を見回して気になるものを見つけた。それは、いかにも歴史的な匂いを醸し出している「ゴミ箱」と書かれた貼り紙である。調べてみるとなんとその貼り紙は、長井線で撮影された「lost & Found(ロスト&ファウンド)」という映画に登場する由緒正しい貼り紙だったのである。
この貼り紙は、駅員さんが車内の忘れものを探しまわり、「ゴミ箱」の上の網棚で発見するという場面で登場します。この映画の主役はそれぞれの人生の落とし物、忘れ物ですから、それを受け止める「ゴミ箱」にもこだわったのではないだろうか。「襖の下張り」のようなこの貼り紙に、あなたは何を思うだろう。
コノゴミバコハ アナタノ ツラカッタコトヤ
カナシカッタコトヲ セイリスル バショデス
コノタビガ オワルトキ チョットダケ
エガオニ ナッテ カエッテクダサイ
【おらだの会】 「ロスト&ファウンド」の記事はこちらからどうぞ
⇒http://samidare.jp/orada3/note?p=list&c=421398
2021.03.09