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成田村伝説 №3.わさやの怪盗(5)

 泥棒が帰りしなに佐々木家に立ち寄って言うことには、「私はこちら様の土蔵を破ろうとした泥棒です。わさやの上に7晩泊って狙ったが、人通りが絶えなくて破ることが出来なくて諦めて今帰るところです。この後も私のような不心得者が居らないとも限りませんから、倉のわさやは人が隠れられないように改築したら如何でしょう。私は二度と再びこの地には来る気もありませんので、7日間御厄介になったお礼に申し上げておきます。」泥棒はそのまま何処ともなく立ち去った。佐々木家ではこの泥棒の話を誰が聞いたかわからないが、すぐにこの蔵のわさやを泥棒の忠告通りに造り替えたという。

 当地の蔵のわさやは大抵天床壁の上、屋根まで2尺5寸か3尺くらい間があり、人間は何人でも隠れ住むことができる。この佐々木家の内蔵は天床壁から直で屋根になっていて、猫も上がれないようになっていたというのである。

 

 

【写真:白浪5人男】この盗人は爽やかで、歌舞伎の一場面を見るようである。怪盗というよりは快盗が適当だったかもしれない。快盗の見えに佐々木家では「あいや待たれや盗人殿。袖すり合うも何かの縁。旅のよすがに栗の一枝を持っていかれよ。」と言ったとか。

2020.03.31
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